免疫細胞と抗体のしくみ


免疫には役割分担があり、互いに連絡を取り合って動いています。
●掃除屋のマクロファージ
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マクロファージは原始的でアメーバ状の細胞です。 体内に侵入してきた異物を発見すると直ちに急行し、自分の中に細菌でもウイルスでもホコリでも次々と取り込んで(貪食)処理しようとします。 しかし強力な細菌は内部でどんどん増殖するので処理し切れません。そこで、異物(抗原)を表面に提示して「外敵が来た!」と、ヘルパーT細胞に情報を伝え、助けを求めます。 マクロファージはウイルスの死骸や殺傷している感染細胞やガン細胞を掃除します。また、寿命がきた赤血球や白血球なども片付けます。 |
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●好中球
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好中球は顆粒球の90%以上を占めています。 主に細菌やカビを貪食します。炎症を起こし、その結果、傷口から膿が出てきますが、これは好中球と細菌の死骸です。 |
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●T細胞
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T細胞は主に感染した細胞を見つけて排除します。 T細胞は3種類あり、それぞれ司令塔、殺し屋、ストッパーの役目をしています。 【ヘルパーT細胞】は免疫の司令塔であり、助っ人です。 ・マクロファージから病原菌(抗原)の情報を受け取り、B細胞に抗体を作る指令を出し、抗体を作るのを助けます。 ・インターロイキンというサイトカインを分泌し、キラーT細胞を活性化させます。 【キラーT細胞】は殺し屋です。 ・普段は静かにしていますが、ヘルパーT細胞から指令があると、感染した細胞にとりついて、その細胞を殺してしまいます。 【サプレッサーT細胞】はストッパー役です。 ・過剰に攻撃したり、武器を作ったりしないように抑制したり、免疫反応を終了に導きます。 |
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●抗体という武器を作って攻撃するB細胞
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B細胞はT細胞の指令により、病原体(抗原)に応じた抗体を産生し、病原体に向かって攻撃していきます。 B細胞はあらかじめ表面にレセプターをアンテナのように掲げ、病原体(抗原)と結合し、どんな抗原か察知しておきます。 同時にB細胞は抗原を提示します。 |
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●ナチュラルキラー(NK)細胞
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文字通り生まれついての殺し屋です。殺傷力が高く、常に体内をパトロールし、ガン細胞やウイルス感染細胞を見つけると、直接殺します。 |
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注意)細胞の画像はイメージです。
役割によっても呼び分けられています。
●貪食細胞
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▼マクロファージや好中球は、体内に侵入した抗原を自分の体の中に取り込んで食べて無害化します。
●抗原提示細胞
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▼マクロファージ、B細胞、樹状細胞が抗原を提示します。
▼細胞が抗原を内に取り込み分解し、その性質を読み取ります。非自己(自分以外の成分)と分かった場合は、細胞自らの先端に付着して「抗原が来た」ことを提示して知らせます。
●抗体産生細胞
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▼抗体を作るB細胞のことです。
免疫細胞以外にも免疫システムに関わっている物質があります。
●細胞間の伝達物質、サイトカイン
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サイトカインは免疫系が正常に働くように、細胞間の情報の交換・伝達、細胞の分化、増殖、抑制などに関わり、生体の恒常性維持に重要な働きを果たす物質です。 サイトカインはタンパク質の一つで、T細胞やB細胞、マクロファージなどから合成され、インターフェロン、インターロイキンなどの種類があります。 風邪を引いたときに発熱したり、運動した時に発汗するのは、インターロイキンが脳の発熱中枢に働いて誘導しているからです。インターフェロンは、ガン細胞やウイルスが増殖するのを抑えたり、T細胞の働きすぎを抑えたりします。 |
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●補体
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補体はタンパク質分子で、普段は血液中にバラバラと存在して、何もしていません。細菌などの異物が侵入してくると、マクロファージなどから産生され、貪食細胞を呼び寄せたり、異物を食べやすくするように協力したり、細菌を破壊する働きをします。 |
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●抗体
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抗体はY字型をした攻撃ミサイルです。 体内に侵入した異物を抗原として認識すると、その抗原を撃退するために抗体をつくります。これを抗原抗体反応と言います。 抗体は抗原を分解することができません。抗原と結合して除去したり、無害化します。 細胞の先端に作られ、抗原(異物)を見分けるレーダーの役目もします。 抗体を作らせるような物質を抗原と言って、ウイルス・細菌・カビ・寄生虫・チリ・花粉などほとんどのものが抗原になり得ます。 |
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注意)細胞の画像はイメージです。
抗体を形成しているのは免疫グロブリンと呼ばれているタンパク質です。B細胞で作られ役割に応じて体内に散らばっています。
抗体があらゆる種類の抗原の形に、ピタッと結合できるようになっているのは、抗体の遺伝子が1兆以上の種類があるからです。このような抗体のしくみについて解明したのが、ノーベル賞を受賞した利根川進博士です。抗体を最初に発見したのは北里柴三郎博士とベーリング博士です。
抗原抗体反応による免疫システムが過剰に反応すると、花粉症や食物アレルギーを引き起こします。
抗体が作られるまで
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抗体は色々な働きをします。
○細菌を発見したら結合し塊にして、マクロファージなどの貪食細胞が食べやすいようにします。
○補体と協力して細菌に穴をあけて破壊します。
○ウイルスが細胞に侵入しないように結合して中和させます。
※中和とは毒性を無くしたり、無害化すること。
○血管の外にて、病原菌の侵入を防いだり、病原菌からの粘膜の表面を守っています。
○消化管の寄生虫感染を防いでいます。
■自己抗体
抗体は異物が侵入したときに反応して作られますが、正常に機能していれば、自己の成分に対して反応しません。しかし、T細胞の非自己の認識過程が狂うと、体を構成する自己細胞を攻撃するT細胞や抗体が出現するようになります。この抗体を自己抗体と言います。このように自己抗体が自分自身を攻撃して、疾病を引き起こすことを自己免疫疾患と言います。
●自然免疫系
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「皮膚や粘膜・涙など、リゾチーム、補体、インターフェロン、マクロファージ、好中球、NK細胞」
▼人が元から持っている一次防衛のことです。殆どの異物がここで防衛されます。
▼免疫細胞や補体などの物質は体内に常駐していて、侵入してきた異物に対して、相手を選ばず直接攻撃します。
●獲得免疫系
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「リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)、抗体」
▼自然免疫系だけでは防御できない強力な毒性を持った病原菌やウイルスに対して緊急防衛します。リンパ球が認識し、産生された抗体という武器などによって戦います。
▼抗原の種類によって、それぞれ担当が違います。
▼一度あった抗原の情報を記憶します。
獲得免疫系には二つの免疫があります。
○液性免疫
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▼B細胞と抗体が主役です。バクテリア(細菌)に対する防衛です。
▼抗体が細菌に結合して毒素を無害化したり、排除したりします。
○細胞性免疫
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▼T細胞、NK細胞が攻撃の主役です。ウイルスや細胞内に寄生する強力な菌(結核菌、サルモネラ、レジオネラ、クラミジアなど)やガン細胞に対する防衛です。
▼ウイルスや細胞に寄生する細菌は細胞内で増殖し続けます。T細胞が感染した細胞やガン細胞の異常を発見し、NK細胞やキラーT細胞が感染細胞と結合して殺します。
■獲得免疫系には記憶することができます!
獲得免疫系の特徴に、脳のような記憶力があります。病原菌に感染すると記憶されて、再度、病原菌が侵入してきても速やかに抗体が作られて、強力に対応して防衛することが出来るようになります。